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がんと上手につきあうための工夫
1.自分の気持ちについて振り返る 2.日常生活におけるストレスの対処
1.自分の気持ちについて振り返る


自分の気持ちについて振り返ってみましょう。今、どのような心の状態にあるのかを知ることが、適切な対処への第一歩となります。次の質問で簡単にチェックすることができます。
落ち込み(抑うつ)のチェックリスト(米国精神医学会のDSM-IV診断基準に準拠)

  1. 一日の大半を憂鬱(ゆううつ)に感じたり、落ち込んでいることが、2週間以上続いていませんか?
  2. ほとんどのことに興味をなくしたり、いつも楽しんでいたことが楽しくないと感じることが、2週間以上続いていませんか?
  3. 体重が5%以上減ったり、あるいは、食欲がない状態が毎日のように続いていませんか?
  4. 眠れない日が毎日のように続いていませんか?
  5. 他の人に指摘されるくらい、そわそわしたり落ち着きがなくなることや、逆に、普段に比べて話し方や動作が遅くなってしまうことが、毎日のように続いていませんか?
  6. 気力がなくなったり、疲れた状態が毎日のように続いていませんか?
  7. 自分自身のことを価値がないと感じてしまったり、過去にしたことやしておかなかったことについて、毎日のように自分を責めていませんか?
  8. 考えたり集中したりできなくなったり、普段できていた日常の事柄を決められないことが、毎日のように続いていませんか?
  9. 物事がうまくいかないので、死ぬことを考えたり、死んでしまったほうがましだと思っていませんか?
まずは、1と2の質問についてお答えください。

・1、2ともに「ない」という方

重い抑うつではないようです。1ヵ月に1度くらい、上記の項目をチェックしてみましょう。

・1、2の両方、あるいはどちらか1つが「ある」という方


3〜9の質問に答えてください。

3〜9の質問で、「はい」と答えた数を数えてみてください。1、2の数も合わせた合計が5つ以上で、かつ2週間以上続いている方は重い抑うつの可能性があり、専門的ケアが必要と考えられます。まずは担当医や看護師、ソーシャルワーカーに相談してみてください。カウンセラーや精神科医によるケアが役に立つでしょう。
2.日常生活におけるストレスの対処


1)ストレス、性格、心の持ち方とがんの関係について

「ストレスによってがんになるか」、「がんになりやすい性格はあるのか」、「がんになった後の心の持ち方が前向きでないと、がんの経過に悪影響を及ぼすのか」といった質問はしばしば聞かれます。これまでの研究では、明らかに関連があるという科学的根拠は十分に得られていません。よって、現時点では「何がなんでも前向きにならなければ…」といったように無理に自分を追い込むことなく、自分らしくがんとつきあっていくことが大切であると考えられています。

2)具体的なストレス対処方法

ここでは、ストレスの対処方法について、一般的なものを箇条書きにしました。自分に合った方法を活用してみてください。

1.過去に、自分にとって役に立った対処方法を思い出して実践する

気持ちのコントロールがなかなかできないときは、過去に経験したつらい出来事に対し、自分がどのように乗り越えたかを思い出してみましょう。「他のことに打ち込む」、「気分転換をする」、「誰かに相談する」など、それぞれに合った対処方法が存在すると思います。自分にあった方法に気付き、それを実践してみましょう。


2.身近な家族や友人に気持ちを打ち明ける

がんを抱えた生活についての自分の気持ちを、家族や友人といったごく親しい人々に打ち明け、理解してもらうことは大切です。日常生活を送っている家庭や職場に悩みを相談できる方がいることは、とても大きな支えになります。人に話をすることで気持ちが楽になったり、気持ちを整理をすることができます。


3.正しい情報を集める

情報が不足していることで不安が強くなっている場合や、逆に、さまざまな情報がはんらんしていることで、何が正しいのか混乱して不安になっている場合には、正しい情報を集めることが、ストレス軽減に役立ちます。正しい情報を得るためには、担当医から病状について十分説明を受け、納得できることが大切です。「自分のがんをどの程度理解しているのか」、「自分のがんについてどこまで知りたいのか」、「どのように伝えてほしいのか」、といったことを担当医に伝え、聞きたいことを質問でき、互いに信頼できるような関係を担当医と築きましょう。実際には、診察時に質問事項を整理したメモを持参したり、家族や友人に同席してもらう方法をとる方が多いようです。また、ご希望があれば、看護師が診察に同席することもできます。


4.問題の優先順位をつける

さまざまな問題が存在すると、混乱してストレスがたまります。まず、複数ある問題を箇条書きにしてみましょう。優先順位をつけて最も大切なことから徐々に解決していくようにすると、気持ちが落ち着く場合があります。


5.自分を責めない

なぜがんになったのかについて考え込んでしまうとき、自分や周囲の人を責めてしまうことがあります。しかし、がんになったのは誰のせいでもありません。がんになった原因を突き止めることは、現在の科学では困難です。自分や誰かのせいにするのではなく、家族や友人とお互いに支えあって、一緒にがんと向き合っていきましょう。


6.断る勇気を持つ

がんになったことで周囲に迷惑をかけていると感じている場合に、自分の気持ちや意見を抑えて周りに合わせてしまうことがあります。しかし、これはストレスの原因になります。気の進まないことは断る勇気を持ちましょう。あなたのことを思ってくれている人は、あなたが本当にしてほしいことをしてあげたいと考えているはずです。


7.リラックスできる方法を工夫する

日常生活の中でリラックスする工夫として、深呼吸、瞑想(めいそう)、音楽、アロマセラピー、適度な運動(ストレッチや散歩など)、入浴、マッサージなどの方法があります。また、後述の漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)を取り入れることもできます。大切なのは、自分なりの心地よい方法を工夫することです。


8.患者会やサポートグループに参加する

患者会やサポートグループは、同じような問題や悩みを抱えた参加者との話し合いの中で、体験や気持ちの分かち合い、励ましあい、情報の交換などを通じて、ストレスに対処する方法を見出すものです。興味のある方は、ソーシャルワーカーに相談するとよいでしょう。

(1)患者会: 患者さん同士の情報交換を主な目的としています。活動内容としては、患者同士の交流会、 専門家による講演会や旅行などのイベントなどです。
(2)サポートグループ: 何人かの患者さんのグループに、精神科医・看護師・カウンセラー・ソーシャルワーカーなどが進行役として加わり、病気の体験や気持ちを語り合うものです。


9.心の専門家に相談する

心の専門家に相談する場合は、主に精神科、精神神経科、心療内科を受診することになります。がんのストレスで、これらの科を受診するのは大げさなのではないかと考える方がいるかもしれません。しかし、最近では、ストレス全般についての相談を受けています。心の専門家によるケアの具体的な内容については、次の項をご参照ください。
※このページのコンテンツ内容は国立がんセンターがん対策情報センターから転用させていただいています。
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